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家族がうつ病になったときにできるサポート方法|寄り添い方と注意点

家族のうつ病は「家庭全体の問題」

身近な家族がうつ病と診断されたとき、多くの人が「どう接すればいいのかわからない」「何をしてあげればいいの?」と悩みます。
うつ病は、本人だけでなく家族全体に影響を与える病気です。適切なサポートは、回復を助けるだけでなく、再発防止にもつながります。

この記事では、家族がうつ病になったときにできる具体的なサポート方法や、サポートする側の心のケアまで、わかりやすく解説します。

うつ病とは?家族が知っておきたい基礎知識

うつ病は脳内の神経伝達物質(セロトニン・ノルアドレナリンなど)の働きが乱れることで、気分の落ち込み、意欲低下、睡眠障害、思考の停滞などが起こる病気です。
単なる「気の持ちよう」ではなく、医学的な治療が必要な状態です。

家族が知るべきうつ病の主な症状

  • 気分の落ち込み、涙もろくなる
  • 興味・喜びの喪失
  • 強い疲労感、眠れない/寝すぎる
  • 食欲の変化(食べられない・食べすぎる)
  • 自分を責める発言、死にたい気持ちを口にする

これらの症状が2週間以上続く場合、専門医の診断を受けることが重要です。

家族ができる7つのサポート方法

1. 話を「聴く」姿勢を大切にする

アドバイスよりも共感が大切です。
「そんなこと考えないで」「頑張って」は逆効果になることも。
「そう感じるんだね」「つらかったね」と気持ちを受け止めるだけで安心感を与えられます。

2. 治療をサポートする

通院に付き添ったり、薬の服薬を一緒に確認することで治療の継続を支えます。
医師に症状の経過を共有すると、診断や治療方針の参考にもなります。

3. 生活リズムを整える

規則正しい睡眠・食事・適度な運動は回復に役立ちます。
朝の光を浴びる、バランスの良い食事を一緒にとるなど、小さな習慣づくりを支援しましょう。

4. 家事や育児を分担する

疲れやすいうつ病の人にとって、日常生活の負担は大きいもの。
洗濯や買い物など、できる範囲で家族がサポートすると、心身の回復に集中できます。

5. プレッシャーをかけない

「早く元気になって」「仕事に行かないと」などの言葉は重荷になります。
回復には時間がかかるものと理解し、焦らせず見守る姿勢が大切です。

6. 自殺リスクのサインに注意する

「消えてしまいたい」「死んだほうが楽」などの発言があるときは要注意。
一人にしないようにし、速やかに医師や地域の精神保健センターに相談しましょう。

7. 家族自身のメンタルケアを忘れない

サポートする家族が疲弊してしまう「介護うつ」も少なくありません。
カウンセリングや家族会、相談窓口を活用し、心の負担を和らげることも大切です。

やってはいけないNG対応

  • 「気合で治せる」「怠けているだけ」と言う
  • 本人の気持ちを否定する
  • 治療をやめさせる、薬を勝手に中止させる
  • 急かす、責める、比較する

これらは回復を妨げ、症状を悪化させる可能性があります。

専門機関や支援制度の活用

  • 精神科・心療内科:診断と治療の中心
  • カウンセリング:家族も一緒に相談できる場合あり
  • 地域の保健センターや精神保健福祉センター:相談・情報提供・家族教室
  • 自助グループ:同じ経験をした家族同士で情報共有

サポートする家族のセルフケア

  • 休息や趣味の時間を確保する
  • 悩みを一人で抱え込まず相談する
  • 完璧を目指さず、できることを少しずつやる
  • カウンセラーや医療者に気持ちを吐き出す

まとめ:家族の支えは回復の大きな力になる

家族がうつ病になったとき、サポートする側も迷いや不安を抱えます。
しかし、「聴く」「寄り添う」「治療を支える」といった基本的なサポートで、回復への道は確実に前進します。
同時に、家族自身の心の健康も守りながら、長期的に支えられる体制を整えましょう。

うつ病について気になった方は

以下のページにてうつ病について詳しく解説しています。

参考文献一覧

  1. 厚生労働省 e-ヘルスネット. 「うつ病」
     https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-002.html
  2. 日本うつ病学会. 「うつ病の家族への対応」
     https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/
  3. WHO (2021). Depression – Key Facts.
     https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/depression
  4. 大野裕 (2020). 『こころが晴れるノート うつと不安の認知療法自習帳』創元社.
     (うつ病の理解と支援に役立つ実践的書籍)
  5. 厚生労働省. 「こころの健康相談統一ダイヤル」
     0570-064-556(全国共通・地域の相談窓口につながります)

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